黒鉛を知ろう

膨張黒鉛、膨張黒鉛シート、および膨張化黒鉛について

今回は「膨張黒鉛」と「膨張化黒鉛」についてお話させていただきます。

「膨張黒鉛」と「膨張化黒鉛」とは

膨張黒鉛は「黒鉛の層間に酸を(インターカレート(=挿入)したもの」です。

膨張黒鉛シートは「膨張黒鉛を加熱膨張した後、プレス成型したもの」です。

膨張化黒鉛は「膨張黒鉛シートを粉砕・粉末化したもの」です。

文字では分かりくい部分もあるかと思いますので、フロー図・外観を用いて下記のとおり説明いたします。

「膨張黒鉛」から「膨張”化”黒鉛」へのフロー図

膨張黒鉛から膨張化黒鉛への簡易的なフロー図は以下のとおりです。

フロー図の上段は作業工程のイメージ図、中段は黒鉛の名前、下段は黒鉛のイメージ図になります。

「膨張黒鉛」から「膨張”化”黒鉛」への外観変化

次に、膨張黒鉛から膨張化黒鉛への変化をデジカメ画像および電子顕微鏡画像と共に簡単に説明いたします。

 まずは出発原料の黒鉛です。

 弊社では+50 mesh(目開き300 μm)等の粒子径の大きい黒鉛を用いています。

 膨張黒鉛(ぼうちょうこくえん)とは、黒鉛層化合物(Graphite Intercalation Compounds, GICs)の一種です。

 黒鉛と酸成分を用いて化学処理を施すことで、加熱すると急激に膨張する性質を付与させています。

 なお、層状構造を有する物質(例:黒鉛)の層間に他の物質(例:酸成分)が挿入される反応を「インターカレーション反応」といいます。

 膨張黒鉛を急速な加熱によって酸成分が膨張することでC軸方向に膨張します。膨張する様子はヘビ花火をイメージしていただければと思います。膨張の結果、ミミズのような外観を持つ多孔質な物質に変化します(英語圏では”worm”と表現)。

  膨張した黒鉛は、黒鉛層の難燃性と層間の空気層によって、耐熱性に優れた構造を持ちます。

 一般的に、「膨張黒鉛の粒子径」が大きいほど「膨張した黒鉛」は大きくなります。

 加熱温度が低い場合、酸成分による膨張力は穏やかになり「膨張した黒鉛」の容積も小さくなります。下記動画は膨張黒鉛0.5 gを用いて、電気炉、大気雰囲気、および加熱温度を400℃と900℃に設定し加熱膨張の様子を比較したものです。400℃では膨張が緩やかに進行し、「膨張した黒鉛」も小さいことが確認できます。

動画 膨張黒鉛の加熱膨張の様子

 膨張した黒鉛をプレス成型したものを「膨張黒鉛シート」といいます。

 通常、黒鉛粒子はシート化することはできませんが、膨張した黒鉛はバインダー無しでシート化することができます。

 膨張黒鉛シートは幅1 m、長さは数百 mのロール状に巻き取られて製品化されます(写真左)。出発原料が100 μm程度の金属結合を持たない粒子であることを考えると、大きな変化であることが分かります。

 膨張黒鉛シートは、黒鉛の特徴である潤滑性・熱伝導・導電性・耐熱性・耐薬品性を持っている他、シート化に伴い柔軟性も備えています。この膨張黒鉛シートは自由な形に切り取ることが可能なので、耐熱性パッキン、熱伝導シート( Thermal Interface Material, TIM )など様々な用途で用いられています。

 膨張黒鉛シートを粉砕したものを「膨張化黒鉛」といいます。

 膨張化黒鉛の色・光沢・手触りは他の黒鉛と異なります。

 一般的に黒鉛は軽量な材料に分類されますが、その中でも膨張化黒鉛はさらに軽いという特徴を持っています。

 下記写真の「カサ高さの比較」をご覧ください。膨張黒鉛(左)と膨張化黒鉛(右)を同量採取し、それぞれビーカーに入れてみました。ご覧のとおり、膨張化黒鉛のほうが明らかにカサ高いことから軽量であることが確認できます。

アイキャッチ画像

今回のアイキャッチ画像は膨張化黒鉛です。

他の黒鉛と比較して、独特の色・光沢・手触りをもっています。

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